新宿合気会web 14号 「近況」

 まん延防止措置も解除となり、桜も咲き始めました。東京も暖かくなり道場への足取りも軽くなってくるのではないでしょうか。

さて、今年から週2日間の稽古を続けておりますが、近況をお伝えできればと思います。

 

  • 稽古は水曜日と金曜日

2020年3月以降稽古は中断となり、その後試験的稽古再開として週1日金曜日のみに部分的に再開したり、緊急事態宣言によりまた中断になったり、野外稽古を行ったりしていましたが、最近になってようやくコンスタントに週2回継続することが可能となりました。水曜日のみ参加される方、両日とも来られる方など、ライフスタイルに合わせて皆さん稽古に参加されているようです。

 

  • 稽古参加者数は水≧金曜日

その週にもよりますが、稽古参加者数はやや水曜日の方が多いようです。水曜日は19時半ごろに皆さん道場に集まり、21時まで稽古を行っています。また、これまで来れなかった方々も徐々にではありますが、道場に来ています。

 

今年5月に全日本合気道演武大会が開催されます。日本武道館で無観客として行われ出場者数にも制限がありますが、当会にとっても久しぶりの行事参加です。特段演武会に向けた練習というのはしませんが、普段通りにしっかりと稽古を積んで臨んでいきたいと思います。

 

  • 稽古の方法

現在の稽古上のルールは

  • マスクの着装の徹底
  • 手洗いうがいの徹底
  • 稽古開始時、休憩時のアルコール消毒の徹底

となっています。

施設に入る際に入口で検温が行われています。

稽古中、これから夏に向け、果たしてマスクを使い続けることが良いのか、については考えていかなければなりませんが、現状では皆さんマスクも使い慣れてきています。布マスクや不織布でマスクと口の間に空間の無いタイプのマスクはすぐに息苦しくなるため、空間のあるタイプや、ウレタンマスクや、プラスチックのマスクフレームを使用する方など色々いるようです。

 

ということで、皆さん少しずつ「日常に合気道のある生活」を取り戻しているようです。

今後もコロナの状況は予断を許さず、二転三転していくと想像されます。そうした変化にできるだけ素早く対応しつつ稽古を続けていきたいと考えておりますので、最近道場から足が遠のいている方も、気軽にまたいらして下さい。

そこには、”いつもと同じ”<新宿>があると思います。

 

 

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稽古概要

水曜日…新宿コズミックセンター 19:00~21:00 (現状稽古開始は19:30頃~)

長南指導員

金曜日…新宿スポーツセンター 19:20~21:00 (現状稽古開始は19:30頃~)

長南指導員、第二・第四は周参見師範

 

 

新宿合気会web 13号 「新年のご挨拶」

 新年あけましておめでとうございます。

 令和4年、2022年となりました。この2年間様々な活動が制限される中で、私たちの生活は大きな変化を余儀なくされました。それは新たな時代への変化とも言えるのかもしれませんが、様々な犠牲もあったのも確かです。この変化の時代にあっても私たちは可能な限り、稽古を通じて体と心、精神を鍛えて新時代に向かっていきたいものです。

 

 さて、新宿合気会は1月から週2回の稽古を実施していきます。稽古初めは1月5日水曜日です。

 水曜日…新宿コズミックセンター 19時集合 稽古時間19時15分~20時45分

 金曜日…新宿スポーツセンター 19時15分集合 稽古時間19時30分~21時

 会費 選択式 スポット会費500円または月謝2,000円

 ※月5日以上参加可能な方は月謝制をお選びください。

 ※遅れて参加される場合は、事前にご連絡をお願いいたします。

info@shinjuku-aikikai.com

 

今後、国や区、施設の感染対策によって稽古回数や会費などは適宜見直すものといたします。

 

この2年間は、年間通じての一定数の稽古開催ができませんでした。今年もその年間稽古の確約はできないでしょう。またいつ突然稽古を中断するかは分かりません。それは覚悟をしなければなりません。そうなった時、あるいは再び稽古再開した際にはいつでも同じ気持ち、同じ体の状態を保つために、道場で稽古している内容を日頃思い返えされると良いかと思います。また合気道に関する本を読み関心を高めるのも良いと思います。

 

さて、このブログでは直近で稽古に参加されている方もいますが、しばらくお休みされている方々もいらっしゃるかと思います。そんな方々にも改めて近況についてご説明いたします。

 

(コロナ前)

2020年1月 平均参加者数10名

2020年2月 平均参加者数12名

 

以降、3月~9月まで稽古中断

 

(試験的稽古再開)

コロナ禍であったものの施設側の制限緩和に伴い金曜日のみで稽古を再開。マスク着装・アルコール消毒必須など新たなルールを導入。

 

2020年10月 平均参加者数8.8名

2020年11月 平均参加者数8名

2020年12月 平均参加者数8名

 

2021年1月から水曜日も稽古を実施しようとし、1月6日に5名の参加者があるものの、直後に再び緊急事態宣言に伴い稽古中断。

2021年2月 中断

2021年3月26日から再開。3月26日7名参加、4月6日6名参加後、再び稽古中断。

 

その後先行きが不明になる中、何とか稽古を継続したく、戸山公園での野外稽古を実施。

2021年7月 2回実施。平均参加者数6名

その後東京で1日の感染者数2,000名超になったため、8月・9月は稽古中断。

2021年10月に野外稽古再開 2回実施し、平均参加者数は7.5名

 

(道場稽古再開)

2021年10月下旬から施設利用が可能となり、道場稽古を再開。

2021年10月29日 参加者数10名

2021年11月 平均参加者数10.75名

2021年12月 平均参加者数11.5名

 

2021年10月以降見学者3名、うち1名入会

 

参加可能な会員数はコロナ以前の半分以下となってしまいましたが、皆さん意欲が高く、道場稽古再開後の平均参加者数は11名となっており、高い参加率で稽古が行われています。

ご自身のペースで良いと思いますので、是非また合気道の稽古がある日常生活を再開してみてはいかがでしょうか。

皆さんと今年も一緒に稽古ができればと願っております。

新宿合気会web 12号 「野外稽古」

この半年間、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言により、半年以上の道場稽古が中断していました。

その間、東京オリンピックが開催されました。この数か月はオリンピック開催の是非や、ワクチン接種など様々な問題がある中で、なんとか道場稽古再開しようと検討していました。その中で、そのまま施設利用再開まで待つだけではなく、野外で稽古を実施する試みが5月頃から役員間で行い、その後他会員にも声をかけてみましたが、想像以上に集まったため、役員会で当面この稽古を通常稽古として行うことを決定発表し、7月16日からはより多くの会員が野外稽古に集まりともに汗を流しながら実施しました。

その後また8月中旬から東京で2,000人を超える新規感染者が発生したため中断しましたが、10月から道場稽古再開まで野外稽古を行っておりました。

 野外であっても、屋内稽古同様に安心安全のためのルールはそのままで、アルコール消毒、マスクの着用は徹底して行います。また季節柄暑いので、1時間ちょうどで稽古が終わるようにスケジュール立てを行い、稽古が終了したら早々に解散をするようにしていました。

 野外ですから、当然受身を取ることはできません。投げ技であれば投げる直前で止める、抑え技の場合は崩すところで止める。このような制限がありますが、どちらかと言うとそのような制限下だからこそ、日頃あまり注力しない基礎となる部分に目を向けた稽古が中心となりました。

 合気道が畳の上でないと稽古ができないなんてことはない訳です。どこでだって稽古は可能です。但し雨天時は稽古できません。前日の天気予報で確実に雨と分かる日は休みとなります。

 野外で受身は取れずとも、一緒に汗をかきながら技に取り組む時間が確保できるようになると、毎日の生活にも張り合いが出てくるものです。体を動かさない日々が続く中で、週1日の合気道の技を行うと関節や筋肉がほぐれ、肩こりや腰痛の緩和にも効果があったように感じています。

 この後10月29日から道場での稽古を再開しましたが、この数か月に及ぶ野外稽古が功を奏したと実感しています。繰り返しますが、稽古はどこででもできます。できる方法を考えて実践することに意味があります。

 

野外稽古の様子

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新宿合気会web 11号 「稽古再開」

2021年10月末からいよいよ道場稽古が再開しました。

やはり畳の上での稽古は格別です。もちろんまだまだ感染リスクがありますので、以前同様にマスク着用で行っています。この稽古再開に際し、嬉しい点がいくつかあります。一つは、参加人数が常に大勢いる点。コロナにより会員数は激減したものの、既存会員数に対して参加者比率が高い点です。もう一つは、この状況下であったにも関わらず、新規会員や体験者が多い点です。それも合気道経験者です。仲間が増えることは良いことです。現在稽古は、年内は毎週金曜日のみ。第一・第三・第五を長南指導員、第二・第四を周参見師範が担当しています。このブログをご覧になっているコロナ以前の仲間も可能であれば、是非またご一緒に稽古しましょう!

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新宿合気会web 10号 「新会長挨拶」

この度、役員会にて会長として選任されました長南でございます。

歴史ある新宿合気会の会長という重責、大変身の引き締まる思いです。新宿合気会は記録によりますと昭和35年設立し、昨年で設立60年を迎えました。本来ならば昨年から今年にかけて周年行事を企画しておりましたが、昨今新型コロナウィルスにより世界中で人々の活動に制限があるように、行事を実施することができませんでした。行事はもとより日々の稽古でさえも難しい状況ではあります。そうした中、大変な状況にも関わらず、有志が集まり安心安全を第一に工夫をしながらに稽古を再開できているのは明るい希望と言えます。

 私が新宿合気会に入会したのは昭和63年のことです。まだ小学校5年生でしたが、入会当時のことを今でも鮮明に覚えています。初めて足を踏み入れた道場の様子、初めてとった受身、初めて購入した道着の匂いと着た感じのこと、会員の様子、師範のこと。すべてが昨日のように覚えています。

かつて、新宿合気会には素晴らしい先生方がいらっしゃいました。学生の頃の私は全身全霊で毎回の稽古で師匠たちに挑みかかっていました。毎週月・水・金曜日の稽古に飽き足らず師匠に許しを得て本部道場にも毎日通っていた時代もありました。また現在も新宿合気会の師範でいらっしゃる周参見師範にお声がけいただき、バリ合気会の立ち上げの指導やサポートとして、長期間バリ島に滞在していたこともありました。

まさに私の青春時代が詰まった思い入れのある会の会長に就くということは、非常に感慨深い訳でありますが、何よりもこの道場を大切にしていきたいという思いでいっぱいです。

 

 入会して33年が経ちましたが、この間に師匠や仲間が残念ながらお亡くなりになったり、ご引退されたりしています。それでも現在も周参見師範、川島指導員、山岡諸氏らを筆頭に古くからの会員が長く会にて稽古されています。合気道には試合が無いという特徴はいくつもの効果をもたらせますが、いつでも自分のタイミングで稽古を再開できる”しやすさ”があるように思います。そのためには逆にいつでも”戻ってきやすい道場”であるべきだと考えております。基本を大切に、初心者も中級者も上級者も、ある一定の充実感の中で稽古ができる道場でありたいと願っております。

道を追求していくのは長く険しいものです。できたと思ったことが翌日にはできなくなっていたり、悩んでいたらいつの間にかできるようになったりと、その繰り返しです。しかし上達に奇策無しです。地味でも基礎・基本の追求こそが大切である、長年やってきてようやくそのことだけは分かるようになってきました。

かつて私の師匠安田師範(現在は故郷京都に移住)は「かいた汗の量が重要だ」を口癖にされていました。ちょっとやっただけでは何も得られない、どれだけやったかが重要だということです。

ある時、私はこの「汗」とは頭の汗と体の汗の二つのことを意味していることに気付きました。どんなに体ばかり動かして肉体的な満足だけで汗をかいていても上達はしない。しかし一方で、考えるばかり、論じるばかりでちっとも体を動かさないような稽古もダメであり、しっかりと考えながらしっかりと体を動かす。この2つの汗をかくことが大切だと理解しました。現代人は往々にして合気道の様なものに具体的で明確な副作用や、ある特別な効果を期待しがちです。「合気道をやっているとこうなる」というのは、そう簡単には感じないものです。修行の過程において、あまりそういったものに期待をしない方が良いかと思っています。私にとっては、長い人生に楽しみや充実感を与えてくれる、自分に寄り添ってくれる存在が合気道です。決して合気道をやっているから崇高な人間になれる訳ではありません。自分が成長するためには合気道を通じて頑張る「自分」そのものこそが大切です。合気道自体が直接的な成長作用をもたらせているわけではないのです。自分そのものをどう捉えていくかが重要な訳です。そういった精神修養場が道場であり、私たちは合気道を通じて心と体、精神を修練していくわけです。

 そして、私たちにはその思いを共有し賛同する海外の道場があります。令和元年にインドネシア共和国首都ジャカルタにある天恵合気道場がグループ道場として仲間入りしました。同年にはインドネシアで初となる第一回演武大会も開催されました。新宿とジャカルタで仲間が行き来することも可能なコミュニケーションが形成されています。大変素晴らしいことです。昨今のこのパンデミックにより稽古参加者は減少しているものの、その前にはグループ会員としては100名程になります。またいつの日か稽古が本格的に再開され、渡航もできるようになったころには、互いの道場で一緒になって稽古ができたらと願ってやみません。

 

 会長就任に際し、大切にしていきたいことは、「稽古と審査の継続」です。特にこの昨今の状況においては極めて重要なことであると認識しています。安心安全を最優先にしながらも可能な限り稽古を続けていく、当面はそのことを念頭において会の運営を行っていく所存であります。そのためには行事は極力省きます。世界的にも歴史のある新宿合気会ですが、周年記念行事も行いません。その決定は寂しい限りですが、稽古ができなくなることはもっと寂しく、残念なことであります。私たちは合気道の稽古をするために集まった集団です。そのことを第一に運営活動を行っていきたいと思っております。

 

ご挨拶の最後に私の敬愛する故菅野師匠の言葉をご紹介します。

合気道を最高だと思え、だけど自分は最低だと思え」

最善を尽くし、この役職を全うする所存です。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

 

令和3年4月1日

会長 長南一樹

新宿合気会web 9号 「ジャカルタ道場での稽古」

 前回インドネシアジャカルタの演武会の様子をご紹介しましたが、今回はジャカルタ道場の日々の稽古の様子についてご案内したいと思います。

新宿合気会グループ、ジャカルタ合気道道場 天恵道場には、3つの道場があります。前回ご紹介した演武会が行われたインドネシア大学を本部道場としていますが、それ以外に2つの道場があり、マヤパダ道場、メンテン道場があります。マヤパダ道場は駐車場ビルの9階、メンテン道場は公園の中にあるイスラム教のお祈り施設隣接にマットを敷いて稽古を行っています。

 天恵道場やその他の合気道組織に限らず、ジャカルタでは多くの武道や格闘技の稽古として、駐車場が利用されています。理由は単にスペースがあるから、施設利用料が安い、または無料だからという点があるためです。駐車場で働くセキュリティに教えるから無料にしてもらう、という交渉もあるようです。

 日本で稽古していると畳がある道場が最初からあるのが当然のように思いますが、これらの道場ではまず「道場を作る」ところから始まります。今回はマヤパダ道場(Gedung Parkir Mayapada Tower)の稽古の様子を見てみましょう。

 

① ご覧の通り駐車場です。数台の車が駐車しています。

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 ② 空いているスペースを見つけます。大抵同じところになりますが、駐車状況によっては稽古場所を変えることがあります。

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③ マットを敷く前にシートを敷きます。マットの汚れ防止です。

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④ 次にマットを敷き詰めていきます。このように1m四辺のマットを縦5枚、横がその時によりますが、10~12枚程敷き詰めていきます。マットの厚さは約2cm程です。

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⑤ 空いたスペースに数枚のマットを敷き、荷物置き場、休憩スペースとします。着替えの部屋はありません。1つしかないトイレで着替えるか、柱の陰や階段の踊り場などで着替えます。 

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 ⑥ マットは駐車場の片隅に整理し保管しています。 f:id:shinjuku-aikikai:20210126233156j:plain

 

⑦ 稽古が始まります。

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 ⑧ 稽古後は時々そのままパーティー会場となり、懇談会が開催されることもあります。

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写真中央眼鏡をかけているのが指導責任者エカ氏。その右隣は長南指導員。

エカ氏の左二人目がブディ指導員、右端はアントン指導員。

 

 日本のように畳やシャワールーム、空調など環境が整備されていなくても、合気道の稽古はどこでもできることが分かると思います。ジャカルタは熱帯モンスーン気候で、季節は雨季と乾季に分かれますが、年中通じて高温です。日本の夏の季節が年中続くのと同じような感じです。駐車場の9階にあるマヤパダ道場では強風が吹けば敷き詰めたマットが飛んでしまうことも、スコールが降れば大雨が入り込んでマットがずぶ濡れになることもあります。しかしそんなことは彼らにとっては日常茶飯事なので、お構いなし。マットが飛べば重しを置いて、濡れれば拭いて稽古を再開します。

 しかしコンクリートに僅か2cm程度のマットを敷いているだけなので、バタバタと稽古するわけにはいきません。投げ飛ばすような稽古よりはじっくりと基本に取り組み練り合う稽古が主体となります。これが天恵道場の最大の特徴、基本の追求です。小手先の技術ではなく、基本への理解、解釈を深めていくというスタイルが彼らの特徴です。そのため彼らは非常に素直で、癖の無い技を行っています。

 皆さんもジャカルタに行く機会があれば、是非天恵道場での稽古に参加されてはいかがでしょうか?きっと温かく迎え入れてくれると思います!しかし気候は暑いのでお気を付けください。

新宿合気会web 8号 「第一回ジャカルタ合気道天恵道場演武大会」

2019年11月、新宿合気会グループであるインドネシア共和国、首都ジャカルタにある「合気道天恵道場」にて第一回目となる定期演武大会が開催されました。

 インドネシアにおける合気道の歴史は意外と古く、1960年代には既にあったようです。その後さまざまな組織が生まれ、今では多数の道場が存在しています。

 日本ではそれぞれの道場が年間行事として演武会を開催することが一般的ですが、インドネシアでは定期的に演武会を開催することがこれまでなかったようです。天恵道場は周参見師範が天恵道場創始者で指導責任者エカ氏と交流があり、長南指導員が2016年にジャカルタに渡り、3年半天恵道場の指導や運営補佐に携わってきました。

 その集大成として2019年11月、演武会が開催されました。日本からは周参見師範、川島指導員が開催の前後1週間ジャカルタに滞在され、稽古指導、特別講習会、演武会にそれぞれご対応されました。

 第一回目のコンセプトは、「最善を尽くそう、だけど頑張り過ぎないようにしよう」でした。第一回目の開催を頑張り過ぎると、二回目、三回目と定期開催のハードルが高くなることを想定し、「なんだ、こんな程度でいいんだ」というレベルを目指しました。それは、開催に派手な演出を施したり、グッズを企画したり、多数の来賓客の招待などをせずに、自分たちとその家族を中心に日頃の稽古の成果と、その様子を家族に知ってもらう、そのことだけに主眼をおいたものとしました。演武会の会場も、単に師範・指導員用に正面に長テーブルと椅子だけを用意し、開祖の写真を置くという非常にシンプルなものでした。高度経済成長真っただ中のインドネシア人は派手を好む傾向がありますが、このコンセプトの同意し皆一丸となって取り組みました。しかしインドネシアの緑豊かなロケーションと相まって、会場は非常に素晴らしい演出を醸し出す結果となり、大いに盛り上がり第一回目としてこの上ない成功を収めることができました。

この演武会の様子は大会前からジャカルタ中の合気道組織が注目していました。大会プログラム含め、運営委員会の在り方などは、この時の新宿合気会の仕組みがインドネシア風にアレンジされて、パッケージ化され各地に伝播され、直後に演武会が開催されたようです。残念ながら新型コロナウィルスの影響で2020年は第二回目の演武会は見送りとなりましたが、稽古は徐々に部分的に再開をしているようです。

 

国立インドネシア大学 周参見師範特別講習会(2019年11月23日)

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※通訳はエンダーさん、長南指導員が担当。

講習会は40名弱の参加があり、周参見師範の基本を中心とした稽古に共に汗を流しました。参加者たちは素直に指導の内容に取り組んでいたのが印象的でした。

 

 

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写真中央周参見師範、左が川島師範、周参見師範右となり天恵道場指導責任者エカ氏、その隣長南指導員、右端から2番目がファルマン会長。後列の大半がインドネシア大学合気道部のメンバー。

 

 

第一回目天恵道場演武大会

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演武をするエカ指導責任者

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周参見師範の演武

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大会ポスター

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天恵道場有段者演武

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ロケーションは最高!

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当日は会員及び家族など、総勢50名ほどの方々が集まりました。

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天恵道場幹部との記念撮影

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写真左から

前列:ファルマン会長、長南指導員、川島指導員、周参見師範、エカ天恵道場責任者、フェブリ指導員、アントン指導員

後列:ムハンマド指導員、ブディ指導員、

 

直会の文化も浸透!

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インドネシアの約9割がイスラム教徒。彼らはお酒を飲みませんのでこういう場では紅茶かコーヒーです。