新宿合気会web 6号 「今こそ稽古の仕方を考えよう①」

 新型コロナウィルスに端を発したこの世界中の稽古中断は、合気道歴史の中でも先の大戦以降では初めてのことであり、稽古ができないだけではなく、ライフスタイルやワークスタイルにも変更が余儀なくされました。そんな中、いよいよ10月2日から試験的稽古再開となりました。

 

 「稽古」という言葉は、「昔を考える」「古(いにしえ)を稽(かんが)える」という意味があります。稽古の方法自体もここは習ってみる必要があります。指導員の話を聞くところによると、昔の稽古では「喋ってはならない」という暗黙のルールがありました。喋っている余裕があるならば体を動かせ、言葉に頼らず体を動かして体で覚えろ、と言うような教えがあったそうです。

また喋らないということは、「口を閉じる」ということでもあり、口を閉じろという教えもありました。口を開けていると万一当て身が入ったり、受身を取った際に下を噛んでしまうためだそうです。そして稽古は基礎動作、体の変更、基本技から徐々に強度を上げていくので、最初は静かに、そして技の一つ一つはじっくりと練り合って確認をしながら行うということです。口は閉じ、稽古中は会話もせず、黙々と静かに動作の一つ一つを確認し合いながら練り合っていくのが本来の稽古方法なのであれば、これは飛沫感染防止という意味においても有用であり、是非とも昔に習い取り組むべきことではないでしょうか。

試験的稽古再開においてはマスクを着用し行われますが、マスクをすることで逆に喋らなくなるという効果の声もありました。

今後とも技に向き合いじっくりと稽古をしていきましょう。

  

試験的稽古再開稽古の様子:

マスクを着用しています。

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  間隔を開けて行います。

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新宿合気会web 5号 「試験的稽古再開」

新型コロナウィルスにより長く稽古を中断していましたが、このたび試験的稽古再開を迎えることになりました。令和2年10月2日、第一回目の試験的稽古再開を果たすこととなりましたので、ご報告させていただきたいと申します。

 

19時20分

新宿スポーツセンターロビー集合

ひとり一人過去14日分の検温記録の確認、当日の検温を実施。

スポーツセンターロビーにはベンチが撤去されており、また受付には体温自動検知システムが設けられていました。

今日は10名の事前申し込みがありましたが、9名集まり全員で武道場に移動します。

 

更衣室も利用時間帯ごとに使用できるロッカーが決まっており、1列ごとに使用できないように養生テープが貼られています。またシャワーも使用できません。貼り紙だらけで物々しい様子に会員一同驚きを隠せません。

着替え終わったら、うがいとアルコール消毒をしてから道場に入場します。

もちろんマスクも着用します。

有段者は道場内で袴を着装します。

 

道場内では、ひとり一人改めて体調確認含めたいくつかのヒアリングがあり、注意事項把握の確認が行われます。

 

19時40分

さぁ久し振りの稽古再開です。

まずは冒頭、長南指導員による試験的稽古再開の主旨説明、注意事項がありました。

その後準備運動があり、基本単独動作を時間割いてじっくりと行っていきます。

受身の稽古も行った時点で、どうやら大半が久々の運動ということもあり既に息が上がりそうでした。ここで5分間の小休憩が設けられました。

 

20時15分

相対稽古が始まります。

まずは逆半身片手取り転換法。稽古は原則3人一組となり、当日中はペアを変えないというルールで行われます。

その後も突きに対する入身動作、片手取り内転換、片手取り外転換などの基礎を確認していきます。

 

20時40分

いよいよ技の稽古です。

今日は逆半身片手取り四方投げです。基礎動作を確認しながらじっくりとゆっくりと稽古を行うように注意がなされます。

その次は片手取り内転換呼吸投げ。これも息が上がるような稽古ではなく、じっくりと行っていきます。

 

最後は座技呼吸法です。

 

21時00分

稽古終了。

稽古後の挨拶は会員一同円になって一回で挨拶をし、個々の体面による挨拶を省略しました。

また指導員含めた有段者の袴は原則自分で畳むことという注意喚起がなされました。

再度各自アルコール消毒をし終了となりました。

 

所感

いろいろな制約がある中で、これほどまでか?というくらいのルールが設けられ稽古が行われましたが、やはり合気道の稽古は楽しい。体を動かし、畳の上で転がることの喜び、仲間との再会、毎週の楽しみが始まったのは何よりも嬉しいものです。

マスクをつけての稽古も当初は違和感でしかありませんでしたが、会員の中には、「マスクをすることで逆に稽古中に喋らなくなる」という感想もあり、稽古が集中できるきっかけになっているという新たな発見もありました。

日本で最も人口の多い東京、その最大都市でもある新宿。がんじがらめのルールが設けられているのは致し方ないことですが、そういった環境においても可能な範囲において稽古を行い、また新たな発見を見出していければと思いました。

新宿合気会web 4号 「基礎稽古に終わりはない」

合気道をやり始めると、誰もが似たような稽古の段階を踏みます。

入門したての頃は、基礎動作と受身。それに慣れてきたら一教、四方投げ入身投げなどの基本技。その後に昇給審査制度を知り、次第に審査要綱に応じた技を主として稽古していき、そのまま初段取得まで突き進んでいきます。昇段前後から剣や杖にも興味を持ち始め、多種多様な技と武器技を取得しようとしていきます。

またその間、人によっては本部道場に通い始めたり、講習会に参加したり、またそういったことをきっかけに他道場に仲間ができたりなどして交流も生まれることもあるようですが、動画や各書籍などがきっかけにもなりながら、ともかく更に興味関心が高まり、技の種類を増やしていこうとします。これに関しては、ある一定の段位・レベルまでは誰しも通る通過点であり、そのこと自体は至極自然なことだとは思います。

 

しかし、ある時から、「やはり基礎が重要なんだ」ということに気付かなければならないと思います。

私たちはなぜ級位や段位があがっても同じ技を稽古し続けるのでしょうか? そして、そのことに飽きません。この稽古スタイルとそのモチベーションこそ、合気道の特徴であると言えると思います。

 

基礎というのは、初心者だけが取り組むものではありません。

基礎は「習得」するものではなく、「常に磨いていくもの(取り組み続けるもの)」だと言えるでしょう。

例えば、寿司職人がいたとします。新米の職人と、名人・達人の職人では一見すると「動作」は同じかもしれませんが、「所作」は異なり、そして味も当然天と地の差ほど違ってきます。取得した技術は同じかもしれません。しかし名人・達人の職人は技術を磨いてきた年数が違います。握り方、包丁の捌き方一つどれをとっても違っているわけです。

期待して訪ねた寿司屋さんが、ネタの種類は豊富だけど一つ一つが全然おいしくない寿司屋さんと、アレコレ種類はそんなに多くないものの、ある程度の種類がそろっていて、一つ一つがしっかりとした技術の高さを感じる素晴らしい寿司だったとしたら、どちらが良いでしょうか?

 

 

 

合気道の技も同じです。

重要なことは技の種類を増やすことではなく、基礎を磨き、基礎のレベルをあげていくことなのです。

一つ一つの技術にしっかりとした基礎の裏付けを感じる説得力のある技ができるようになっていかなければなりません。

 

そこで基礎の稽古方法についてですが、どのような方法があるのでしょうか。

それは簡単です。

まさに基礎動作を一人でやってみることです。一人でやってみること、そして道場でそのやってきたことを仲間との技の稽古で確認し、そしてまた一人でやってみる、また相手と技の中で確認していく。その繰り返しです。

 

実はこの過程が重要で、どのような稽古をしたらよいのか、自分で考えながら稽古内容を設計していくということが大切なのです。自分で考えることができるようになれば、先輩や指導員からの助言待ちではなく、主体的な稽古ができるようになるので、常に前のめりな姿勢で稽古できるため、充実さは変わってきます。

 

自分で稽古内容を設計する上で重要なことは、常に基礎に帰るということです。応用というのはいきなり目指すものでは無く、基礎の延長線上にあります。求める場所を常に原点である基礎に置きましょう。また基礎を重視すると、初心者や後輩との稽古もより充実するようになります。なぜならば、同じことに取り組むからです。だから誰とやっても楽しさを感じられるようになるのです。

 

今、新宿合気会会員向け動画がアップロードされています。新型コロナウィルスによる影響で稽古が中断している中、自宅でできる稽古として、長南指導員の指導が動画で見ることができます。是非確認をし、自宅でも取り組み、興味関心を維持しつつ稽古再開を心待ちにしていきましょう。

 

※動画は新宿合気会ホームページのトップページにURLを確認することができます。

新宿合気会web 3号 「人と争わないということは」

道場には、色々な動機で稽古を続けている方がいます。

合気道は「争わない」とよく言われます。その表現は技術的な意味で用いられることが多いようです。そして、そこには試合形式を取らないという意味も含まれています。

確かに日頃の稽古では、いかに無駄な力を用いずに相手との調和において技を行うかを考えながら稽古をしていますので、この「争わない」というキーワードは重要なテーマであると言えます。

しかし、人と争わないというのはもう一つの側面を持っているようです。実は、これが長く合気道と付き合っていく上では重要な点であると言えます。

 

それは、ライバルを作らないということです。

合気道を始めた時には、同期やすぐ近くの先輩や後輩がいるものです。そして互いに切磋琢磨して、とにかく一つの目標である初段を目指して、稽古日数を落とさずに、最短での昇段を目指して稽古に夢中になりがちです。そのこと自体はとても良いことです。

しかし、ちょっとしたことをきっかけに、たまたま仕事や他の用事が忙しくて稽古に参加できなくなってしまい、そうこうしているうちに後輩に昇級昇段が抜かれてしまった、自分だけ級位が遅れてしまった…という状況になることがあります。

そんな時、何となくモチベーションが下がり、稽古に行きたくない気持ちになってしまいます。本当は合気道が好きなのに…です。

 

こんな時こそ、合気道の特徴である、「人と争わない」を思い出すことが重要なのです。

私たちは何のために稽古をして、級位や段位を上げていくのでしょうか? 合気道を始めた時から昇級昇段のレースに参加しているのでしょうか? 違うと思います。自分のために稽古を始めたのだと思います。

ですから、人と級位段位の取得スピードを争っている訳ではありません。自分のできるペースで、自分で掲げた目標に従って稽古をやっているのであって、他人とは争っていません。強いて言えば、競争相手は自分ではないでしょうか?「己に勝つ」とよく言いますが、まさに稽古を通じて自分に打ち克つ、己に勝つというところに真の自己形成としての合気道を取り組む価値があるのだと思います。

 

私たちの道場では、そのようにマイペースで、けれども稽古に来た時には最善を尽くし、一生懸命に稽古されている方を目にします。

 

今、新型コロナウィルスの影響で道場での稽古ができない状況です。

稽古再開になった際には、是非また気持ちを新たにして皆さんで稽古をしていきましょう。

これまで継続的に稽古していた方も、ちょっと何らかの理由で稽古に参加できなかった方も一緒になって気持ちを新たにしていきましょう。

 

稽古ができない期間、そんな合気道への取り組み方や、自分の気持ちの整理などに時間を費やすのも有効かもしれませんね。

新宿合気会web 2号 「新宿合気会は今年で創立60年です」

実は新宿合気会は今年、2020年で道場設立60年が経ちます。

これは、実はとても凄いことなのです。

インターネットで少し調べれば他の著名な道場と同等、またはそれよりも古いことが確認できますが、ここではその詳細については割愛致します。

合気会本部道場によると現在国内においては2400の道場があるそうです。合気道の初めての書籍、「合気道」の巻末には昭和39年現在の道場の一覧の掲載があります。ここには当会の名前はありません。恐らく主だったものが掲載されているのだと思いますが、それでも30あまりです。名だたる著名な道場の名前がありますが、当会はそれらと同じくらい歴史があるわけです。

 

今年はそのような重要な節目の年となっている訳です。残念ながら新型コロナウィルスの影響により道場における稽古が中断となってしまっていますが、来年2021年11月の新宿合気会演武会は60周年記念周回行事として行うことを予定しています。

 

60年と言うのは非常に長い歴史です。

合気道の書物によると、昭和35年の出来事としては、合気道開祖、紫綬褒章日本国政府より受章。合気会主催の第一回演武大会開催。翌年昭和36年には開祖、ハワイ合気会より新築道場の祝賀を兼ね招聘され渡米、とあります。

いずれも合気道の歴史において、非常に有名で重要な出来事があった年です。そのような時に我が新宿合気会(当時は新宿区合気道連盟)は発足したのです。

 

もちろん、その時のことを覚えている当時の人は当会にはいません。

現会員の中で最も古い方は山田会長です。40年以上在籍されています。その次が山岡指導員。昭和58年頃と聞いています。その二人を追って川島指導員、佐々木指導員、長南指導員です。昭和63年のことです。

 

当時道場で指導されていた師範の話は、上記指導員の方々は鮮明に覚えていらっしゃるようです。

当時の師範は開祖にも投げていただいたことのある時代の方々です。開祖の腕を取りに行った瞬間飛んでいた、というような話を聞いたことがあります。

 

会を長く存続させるというのは非常に難しいことです。会の運営も大変ですが、稽古を長く取り組むことがいかに難しいことか。しかし先人の方々の努力の甲斐があって、現在の新宿合気会があります。

 

ところで稽古を長く続ける秘訣とはなんでしょうか?

それは人によってもいろいろな考えがあると思いますが、日々の生活の中に気持ち良いリズムで、疲れすぎないように稽古をし続けることだと思います。

それは人によっては週1回で良い人もいれば、週2回、3回とやる人もいます。それはそれでいいのです。

長南先生は大学生の時は週9回稽古をされていたようです。月・水・金曜日は新宿合気会の稽古前に本部道場に行って1時間1コマ稽古をし、火曜が1時間1コマ、木曜日は2コマ稽古をされていたとのこと。それくらい夢中でやっていたかったそうです。でもだからと言ってそれを今もその通りにやろうと長南先生は考えていないようです。誰とも競い合ったりしません。それで良いのです。それが合気道のスタイルです。

 

60年も続いている道場は、そんなに多くありません。

せっかく始めた合気道です。是非皆さんも気長に取り組み続けてみてください。やればやるほど奥が深いです。

試合が無いということは、「選手生命が無い」ということでもあります。だからいつまでもできるのです。「引退」というものはほぼ無縁です。試合形式を取らないため、ご老人と若者が一緒に稽古をすることだって可能です。だから道場に2人以上人がいれば、とりあえず技の掛け合いは可能です。

勿論大勢いた方が、活気がありますけどね。

 

60年目の節目のこの1年。より一層稽古を盛り上げていきましょう!

新宿合気会web 1号 「Web版会報誌始めます」

皆さんこんにちは。

新型コロナウィルスによって、利用施設が全館休館となったため稽古が丸々1か月できなくなってしまいました。日々の生活の中に毎週の稽古が組み込まれていた会員の皆さんにおいては、なんとなく生活のリズムが崩れてしまっているのではないでしょうか。道場に来られずとも日々の健康に留意して、健やかにこの事態を乗り越え、また道場でお会いできることを楽しみに待っていきたいと思う次第です。

 

さて、そんな中新宿合気会ではWeb版会報誌をスタート致します。

これはこのコロナ騒動の中で急浮上したものではなく、以前より会員のコミュニケーション施策として、役員会で検討をしてきていたものでした。

 

現在、会の連絡事項については、事務局からのメール配信を主な方法として、日々の稽古終了後に、道場においても行っています。

この会報誌は、どちらかと言うと会員の皆さんが気持ちよくいつでも稽古できるように、日々の道場における稽古の様子や、色々なことを会員の皆さんとお話しをさせてもらうことで、是非参考にしてもらいたいことなどを共有していくことを目的としています。

例えば、長く稽古をしている秘訣、長いこと休んでいた方が復帰できた理由、審査対策のポイント、稽古で大切にしていることなど、テーマは様々であり指導員や役員のみならず広く会員の皆さんとお話ししたことを取り上げていきたいと考えています。

 

せっかく始めた新宿合気会での稽古がちょっと休みが続いてしまったことによって、稽古に参加しづらくなってしまったり、同期や後輩が先にどんどん昇級・昇段してしまって何となく再び稽古をしたいという気持ちにならなかったり、たまたま仕事や学業が忙しくてなかなか再び稽古できる状況になかったりと、色々な状況がある中と思います。

 

一般的に道場には会報誌があるものですが、当会は長い歴史において、導入したことがありません。他の道場に比べて稽古後の飲み会が定例化されて比較的コミュニケーション取りやすい環境にあったのも、その理由の一つだったかもしれませんが。(笑)

しかし、それだけでは日々稽古に来られている方だけのコミュニケーションは充実しますが、既述の通り来られなくなった方とはドンドン疎遠になっていってしまいます。色々な方が、いつでも稽古できて、いつでも稽古を再開できる。合気道の稽古というのは人と争わない、試合がない武道です。誰とも争う必要がなく、後輩が昇級・昇段しようが、自分のために本来は稽古をしています。そのようなことにも気付いてもらいたいと思っています。

 

この会報誌は、技術的なテーマに話題を絞るようなことはしません。但し自宅でできる基礎や基本動作などについては紹介をしたいと思っています。日々どうしても稽古できない、道場に行くことができず悔しい思いをすることもあると思います。そんな時は是非自宅で少し動いてみて稽古した実感を得るのも良いと思うのです。また本格的に取り組んでいる方にとっても基礎動作の日々の取り組みは上達を早めます。

 

また、「会報誌」と言っても現代においてわざわざ紙に印刷することもしません。余計なコストをかけずともWebサイトにアップロードできる時代です。毎月1-2回というペースで更新をしていく予定です。長く続けていき、皆さんが道場に行こう!というモチベーションに繋がるように取り組んでいきたいと思いますので、是非ともご愛読いただけますと幸いです。