新宿合気会web 6号 「今こそ稽古の仕方を考えよう①」

 新型コロナウィルスに端を発したこの世界中の稽古中断は、合気道歴史の中でも先の大戦以降では初めてのことであり、稽古ができないだけではなく、ライフスタイルやワークスタイルにも変更が余儀なくされました。そんな中、いよいよ10月2日から試験的稽古再開となりました。

 

 「稽古」という言葉は、「昔を考える」「古(いにしえ)を稽(かんが)える」という意味があります。稽古の方法自体もここは習ってみる必要があります。指導員の話を聞くところによると、昔の稽古では「喋ってはならない」という暗黙のルールがありました。喋っている余裕があるならば体を動かせ、言葉に頼らず体を動かして体で覚えろ、と言うような教えがあったそうです。

また喋らないということは、「口を閉じる」ということでもあり、口を閉じろという教えもありました。口を開けていると万一当て身が入ったり、受身を取った際に下を噛んでしまうためだそうです。そして稽古は基礎動作、体の変更、基本技から徐々に強度を上げていくので、最初は静かに、そして技の一つ一つはじっくりと練り合って確認をしながら行うということです。口は閉じ、稽古中は会話もせず、黙々と静かに動作の一つ一つを確認し合いながら練り合っていくのが本来の稽古方法なのであれば、これは飛沫感染防止という意味においても有用であり、是非とも昔に習い取り組むべきことではないでしょうか。

試験的稽古再開においてはマスクを着用し行われますが、マスクをすることで逆に喋らなくなるという効果の声もありました。

今後とも技に向き合いじっくりと稽古をしていきましょう。

  

試験的稽古再開稽古の様子:

マスクを着用しています。

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  間隔を開けて行います。

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