新宿合気会web 12号 「野外稽古」

この半年間、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言により、半年以上の道場稽古が中断していました。

その間、東京オリンピックが開催されました。この数か月はオリンピック開催の是非や、ワクチン接種など様々な問題がある中で、なんとか道場稽古再開しようと検討していました。その中で、そのまま施設利用再開まで待つだけではなく、野外で稽古を実施する試みが5月頃から役員間で行い、その後他会員にも声をかけてみましたが、想像以上に集まったため、役員会で当面この稽古を通常稽古として行うことを決定発表し、7月16日からはより多くの会員が野外稽古に集まりともに汗を流しながら実施しました。

その後また8月中旬から東京で2,000人を超える新規感染者が発生したため中断しましたが、10月から道場稽古再開まで野外稽古を行っておりました。

 野外であっても、屋内稽古同様に安心安全のためのルールはそのままで、アルコール消毒、マスクの着用は徹底して行います。また季節柄暑いので、1時間ちょうどで稽古が終わるようにスケジュール立てを行い、稽古が終了したら早々に解散をするようにしていました。

 野外ですから、当然受身を取ることはできません。投げ技であれば投げる直前で止める、抑え技の場合は崩すところで止める。このような制限がありますが、どちらかと言うとそのような制限下だからこそ、日頃あまり注力しない基礎となる部分に目を向けた稽古が中心となりました。

 合気道が畳の上でないと稽古ができないなんてことはない訳です。どこでだって稽古は可能です。但し雨天時は稽古できません。前日の天気予報で確実に雨と分かる日は休みとなります。

 野外で受身は取れずとも、一緒に汗をかきながら技に取り組む時間が確保できるようになると、毎日の生活にも張り合いが出てくるものです。体を動かさない日々が続く中で、週1日の合気道の技を行うと関節や筋肉がほぐれ、肩こりや腰痛の緩和にも効果があったように感じています。

 この後10月29日から道場での稽古を再開しましたが、この数か月に及ぶ野外稽古が功を奏したと実感しています。繰り返しますが、稽古はどこででもできます。できる方法を考えて実践することに意味があります。

 

野外稽古の様子

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新宿合気会web 11号 「稽古再開」

2021年10月末からいよいよ道場稽古が再開しました。

やはり畳の上での稽古は格別です。もちろんまだまだ感染リスクがありますので、以前同様にマスク着用で行っています。この稽古再開に際し、嬉しい点がいくつかあります。一つは、参加人数が常に大勢いる点。コロナにより会員数は激減したものの、既存会員数に対して参加者比率が高い点です。もう一つは、この状況下であったにも関わらず、新規会員や体験者が多い点です。それも合気道経験者です。仲間が増えることは良いことです。現在稽古は、年内は毎週金曜日のみ。第一・第三・第五を長南指導員、第二・第四を周参見師範が担当しています。このブログをご覧になっているコロナ以前の仲間も可能であれば、是非またご一緒に稽古しましょう!

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新宿合気会web 10号 「新会長挨拶」

この度、役員会にて会長として選任されました長南でございます。

歴史ある新宿合気会の会長という重責、大変身の引き締まる思いです。新宿合気会は記録によりますと昭和35年設立し、昨年で設立60年を迎えました。本来ならば昨年から今年にかけて周年行事を企画しておりましたが、昨今新型コロナウィルスにより世界中で人々の活動に制限があるように、行事を実施することができませんでした。行事はもとより日々の稽古でさえも難しい状況ではあります。そうした中、大変な状況にも関わらず、有志が集まり安心安全を第一に工夫をしながらに稽古を再開できているのは明るい希望と言えます。

 私が新宿合気会に入会したのは昭和63年のことです。まだ小学校5年生でしたが、入会当時のことを今でも鮮明に覚えています。初めて足を踏み入れた道場の様子、初めてとった受身、初めて購入した道着の匂いと着た感じのこと、会員の様子、師範のこと。すべてが昨日のように覚えています。

かつて、新宿合気会には素晴らしい先生方がいらっしゃいました。学生の頃の私は全身全霊で毎回の稽古で師匠たちに挑みかかっていました。毎週月・水・金曜日の稽古に飽き足らず師匠に許しを得て本部道場にも毎日通っていた時代もありました。また現在も新宿合気会の師範でいらっしゃる周参見師範にお声がけいただき、バリ合気会の立ち上げの指導やサポートとして、長期間バリ島に滞在していたこともありました。

まさに私の青春時代が詰まった思い入れのある会の会長に就くということは、非常に感慨深い訳でありますが、何よりもこの道場を大切にしていきたいという思いでいっぱいです。

 

 入会して33年が経ちましたが、この間に師匠や仲間が残念ながらお亡くなりになったり、ご引退されたりしています。それでも現在も周参見師範、川島指導員、山岡諸氏らを筆頭に古くからの会員が長く会にて稽古されています。合気道には試合が無いという特徴はいくつもの効果をもたらせますが、いつでも自分のタイミングで稽古を再開できる”しやすさ”があるように思います。そのためには逆にいつでも”戻ってきやすい道場”であるべきだと考えております。基本を大切に、初心者も中級者も上級者も、ある一定の充実感の中で稽古ができる道場でありたいと願っております。

道を追求していくのは長く険しいものです。できたと思ったことが翌日にはできなくなっていたり、悩んでいたらいつの間にかできるようになったりと、その繰り返しです。しかし上達に奇策無しです。地味でも基礎・基本の追求こそが大切である、長年やってきてようやくそのことだけは分かるようになってきました。

かつて私の師匠安田師範(現在は故郷京都に移住)は「かいた汗の量が重要だ」を口癖にされていました。ちょっとやっただけでは何も得られない、どれだけやったかが重要だということです。

ある時、私はこの「汗」とは頭の汗と体の汗の二つのことを意味していることに気付きました。どんなに体ばかり動かして肉体的な満足だけで汗をかいていても上達はしない。しかし一方で、考えるばかり、論じるばかりでちっとも体を動かさないような稽古もダメであり、しっかりと考えながらしっかりと体を動かす。この2つの汗をかくことが大切だと理解しました。現代人は往々にして合気道の様なものに具体的で明確な副作用や、ある特別な効果を期待しがちです。「合気道をやっているとこうなる」というのは、そう簡単には感じないものです。修行の過程において、あまりそういったものに期待をしない方が良いかと思っています。私にとっては、長い人生に楽しみや充実感を与えてくれる、自分に寄り添ってくれる存在が合気道です。決して合気道をやっているから崇高な人間になれる訳ではありません。自分が成長するためには合気道を通じて頑張る「自分」そのものこそが大切です。合気道自体が直接的な成長作用をもたらせているわけではないのです。自分そのものをどう捉えていくかが重要な訳です。そういった精神修養場が道場であり、私たちは合気道を通じて心と体、精神を修練していくわけです。

 そして、私たちにはその思いを共有し賛同する海外の道場があります。令和元年にインドネシア共和国首都ジャカルタにある天恵合気道場がグループ道場として仲間入りしました。同年にはインドネシアで初となる第一回演武大会も開催されました。新宿とジャカルタで仲間が行き来することも可能なコミュニケーションが形成されています。大変素晴らしいことです。昨今のこのパンデミックにより稽古参加者は減少しているものの、その前にはグループ会員としては100名程になります。またいつの日か稽古が本格的に再開され、渡航もできるようになったころには、互いの道場で一緒になって稽古ができたらと願ってやみません。

 

 会長就任に際し、大切にしていきたいことは、「稽古と審査の継続」です。特にこの昨今の状況においては極めて重要なことであると認識しています。安心安全を最優先にしながらも可能な限り稽古を続けていく、当面はそのことを念頭において会の運営を行っていく所存であります。そのためには行事は極力省きます。世界的にも歴史のある新宿合気会ですが、周年記念行事も行いません。その決定は寂しい限りですが、稽古ができなくなることはもっと寂しく、残念なことであります。私たちは合気道の稽古をするために集まった集団です。そのことを第一に運営活動を行っていきたいと思っております。

 

ご挨拶の最後に私の敬愛する故菅野師匠の言葉をご紹介します。

合気道を最高だと思え、だけど自分は最低だと思え」

最善を尽くし、この役職を全うする所存です。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

 

令和3年4月1日

会長 長南一樹

新宿合気会web 9号 「ジャカルタ道場での稽古」

 前回インドネシアジャカルタの演武会の様子をご紹介しましたが、今回はジャカルタ道場の日々の稽古の様子についてご案内したいと思います。

新宿合気会グループ、ジャカルタ合気道道場 天恵道場には、3つの道場があります。前回ご紹介した演武会が行われたインドネシア大学を本部道場としていますが、それ以外に2つの道場があり、マヤパダ道場、メンテン道場があります。マヤパダ道場は駐車場ビルの9階、メンテン道場は公園の中にあるイスラム教のお祈り施設隣接にマットを敷いて稽古を行っています。

 天恵道場やその他の合気道組織に限らず、ジャカルタでは多くの武道や格闘技の稽古として、駐車場が利用されています。理由は単にスペースがあるから、施設利用料が安い、または無料だからという点があるためです。駐車場で働くセキュリティに教えるから無料にしてもらう、という交渉もあるようです。

 日本で稽古していると畳がある道場が最初からあるのが当然のように思いますが、これらの道場ではまず「道場を作る」ところから始まります。今回はマヤパダ道場(Gedung Parkir Mayapada Tower)の稽古の様子を見てみましょう。

 

① ご覧の通り駐車場です。数台の車が駐車しています。

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 ② 空いているスペースを見つけます。大抵同じところになりますが、駐車状況によっては稽古場所を変えることがあります。

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③ マットを敷く前にシートを敷きます。マットの汚れ防止です。

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④ 次にマットを敷き詰めていきます。このように1m四辺のマットを縦5枚、横がその時によりますが、10~12枚程敷き詰めていきます。マットの厚さは約2cm程です。

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⑤ 空いたスペースに数枚のマットを敷き、荷物置き場、休憩スペースとします。着替えの部屋はありません。1つしかないトイレで着替えるか、柱の陰や階段の踊り場などで着替えます。 

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 ⑥ マットは駐車場の片隅に整理し保管しています。 f:id:shinjuku-aikikai:20210126233156j:plain

 

⑦ 稽古が始まります。

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 ⑧ 稽古後は時々そのままパーティー会場となり、懇談会が開催されることもあります。

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写真中央眼鏡をかけているのが指導責任者エカ氏。その右隣は長南指導員。

エカ氏の左二人目がブディ指導員、右端はアントン指導員。

 

 日本のように畳やシャワールーム、空調など環境が整備されていなくても、合気道の稽古はどこでもできることが分かると思います。ジャカルタは熱帯モンスーン気候で、季節は雨季と乾季に分かれますが、年中通じて高温です。日本の夏の季節が年中続くのと同じような感じです。駐車場の9階にあるマヤパダ道場では強風が吹けば敷き詰めたマットが飛んでしまうことも、スコールが降れば大雨が入り込んでマットがずぶ濡れになることもあります。しかしそんなことは彼らにとっては日常茶飯事なので、お構いなし。マットが飛べば重しを置いて、濡れれば拭いて稽古を再開します。

 しかしコンクリートに僅か2cm程度のマットを敷いているだけなので、バタバタと稽古するわけにはいきません。投げ飛ばすような稽古よりはじっくりと基本に取り組み練り合う稽古が主体となります。これが天恵道場の最大の特徴、基本の追求です。小手先の技術ではなく、基本への理解、解釈を深めていくというスタイルが彼らの特徴です。そのため彼らは非常に素直で、癖の無い技を行っています。

 皆さんもジャカルタに行く機会があれば、是非天恵道場での稽古に参加されてはいかがでしょうか?きっと温かく迎え入れてくれると思います!しかし気候は暑いのでお気を付けください。

新宿合気会web 8号 「第一回ジャカルタ合気道天恵道場演武大会」

2019年11月、新宿合気会グループであるインドネシア共和国、首都ジャカルタにある「合気道天恵道場」にて第一回目となる定期演武大会が開催されました。

 インドネシアにおける合気道の歴史は意外と古く、1960年代には既にあったようです。その後さまざまな組織が生まれ、今では多数の道場が存在しています。

 日本ではそれぞれの道場が年間行事として演武会を開催することが一般的ですが、インドネシアでは定期的に演武会を開催することがこれまでなかったようです。天恵道場は周参見師範が天恵道場創始者で指導責任者エカ氏と交流があり、長南指導員が2016年にジャカルタに渡り、3年半天恵道場の指導や運営補佐に携わってきました。

 その集大成として2019年11月、演武会が開催されました。日本からは周参見師範、川島指導員が開催の前後1週間ジャカルタに滞在され、稽古指導、特別講習会、演武会にそれぞれご対応されました。

 第一回目のコンセプトは、「最善を尽くそう、だけど頑張り過ぎないようにしよう」でした。第一回目の開催を頑張り過ぎると、二回目、三回目と定期開催のハードルが高くなることを想定し、「なんだ、こんな程度でいいんだ」というレベルを目指しました。それは、開催に派手な演出を施したり、グッズを企画したり、多数の来賓客の招待などをせずに、自分たちとその家族を中心に日頃の稽古の成果と、その様子を家族に知ってもらう、そのことだけに主眼をおいたものとしました。演武会の会場も、単に師範・指導員用に正面に長テーブルと椅子だけを用意し、開祖の写真を置くという非常にシンプルなものでした。高度経済成長真っただ中のインドネシア人は派手を好む傾向がありますが、このコンセプトの同意し皆一丸となって取り組みました。しかしインドネシアの緑豊かなロケーションと相まって、会場は非常に素晴らしい演出を醸し出す結果となり、大いに盛り上がり第一回目としてこの上ない成功を収めることができました。

この演武会の様子は大会前からジャカルタ中の合気道組織が注目していました。大会プログラム含め、運営委員会の在り方などは、この時の新宿合気会の仕組みがインドネシア風にアレンジされて、パッケージ化され各地に伝播され、直後に演武会が開催されたようです。残念ながら新型コロナウィルスの影響で2020年は第二回目の演武会は見送りとなりましたが、稽古は徐々に部分的に再開をしているようです。

 

国立インドネシア大学 周参見師範特別講習会(2019年11月23日)

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※通訳はエンダーさん、長南指導員が担当。

講習会は40名弱の参加があり、周参見師範の基本を中心とした稽古に共に汗を流しました。参加者たちは素直に指導の内容に取り組んでいたのが印象的でした。

 

 

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写真中央周参見師範、左が川島師範、周参見師範右となり天恵道場指導責任者エカ氏、その隣長南指導員、右端から2番目がファルマン会長。後列の大半がインドネシア大学合気道部のメンバー。

 

 

第一回目天恵道場演武大会

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演武をするエカ指導責任者

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周参見師範の演武

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大会ポスター

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天恵道場有段者演武

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ロケーションは最高!

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当日は会員及び家族など、総勢50名ほどの方々が集まりました。

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天恵道場幹部との記念撮影

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写真左から

前列:ファルマン会長、長南指導員、川島指導員、周参見師範、エカ天恵道場責任者、フェブリ指導員、アントン指導員

後列:ムハンマド指導員、ブディ指導員、

 

直会の文化も浸透!

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インドネシアの約9割がイスラム教徒。彼らはお酒を飲みませんのでこういう場では紅茶かコーヒーです。

新宿合気会web 7号 「今こそ稽古の仕方を考えよう②」

 「どうやったら上達するのか?」

それは合気道を稽古している方であれば誰もが常に考えるところです。色々な方法を試したり、先輩や先生に教えを求めたり、自分で本や動画を見てあれこれ試したり、その方法は枚挙に暇がありません。そしていろいろな目新しい技術と出会った時には感動する反面、先生から「基礎動作に取り組み基礎もっと磨いていこう」と言われた時には、あまりにも地味で落胆する気持ちさえ持つこともあります。

呼吸法、転換、転身、転回、送り足、継足、歩み足…もうできるよ!なんでできるのに毎日やる必要があるのだろう?そう思っていても先生からは求められます。

 

 やはりそれだけ重要なことなのでしょう。基礎というのは技を構成している要素です。逆半身片手取り四方投げを例にすれば、表では最初に足を入れ替える(転身)、踏み込んで前進する(呼吸法)、振り返る(転回)という動作がすべて基礎動作で確認できます。

そして、裏では転換があり、呼吸法と共に転回があります。

基本単独動作をやっているのに、技の中にあるそれらと全然形が変わってしまうことがあります。片手取り転換法の時です。一人ではスムーズに転換動作ができるのに、片手を取られると途端に下を向いてしまい、緊張してしまう。単独動作のときとはまるで違うものになってしまう。先生は常に、「単独動作と同じようにできなければならない」と仰います。基礎レベルというのは技を通じて勝手につくものと思われがちですが、ちゃんと技の中で基礎に向き合い取り組むということが重要だと言えます。技の中に基礎の存在を認識しながら、一つひとつを確認していくことで、技をもっと深掘りしていくことができる訳ですね。

技の骨格にしっかりと取り組んでいけば、技一つひとつの完成度が増していきます。技の種類を増やしていく取り組みというのはキリがありません。それはそれで面白い訳ですが、考えようによってはそのことだけに一生懸命になってしまい、肝心な技の完成度を疎かにしてしまいます。自分の知っている技に更に磨きをかけていくことは、自分ひとりでも取り組むことができ、昨日できなかったことが今日できるようになっていく喜びがあり、技の完成度、美しさも増していきます。技の骨格に取り組むことで自分の課題をより具体化し、稽古に集中することができるようになり、結果的に上達の近道になってくるのではないでしょうか。

 

 

 

11月13日稽古の様子

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新宿合気会web 6号 「今こそ稽古の仕方を考えよう①」

 新型コロナウィルスに端を発したこの世界中の稽古中断は、合気道歴史の中でも先の大戦以降では初めてのことであり、稽古ができないだけではなく、ライフスタイルやワークスタイルにも変更が余儀なくされました。そんな中、いよいよ10月2日から試験的稽古再開となりました。

 

 「稽古」という言葉は、「昔を考える」「古(いにしえ)を稽(かんが)える」という意味があります。稽古の方法自体もここは習ってみる必要があります。指導員の話を聞くところによると、昔の稽古では「喋ってはならない」という暗黙のルールがありました。喋っている余裕があるならば体を動かせ、言葉に頼らず体を動かして体で覚えろ、と言うような教えがあったそうです。

また喋らないということは、「口を閉じる」ということでもあり、口を閉じろという教えもありました。口を開けていると万一当て身が入ったり、受身を取った際に下を噛んでしまうためだそうです。そして稽古は基礎動作、体の変更、基本技から徐々に強度を上げていくので、最初は静かに、そして技の一つ一つはじっくりと練り合って確認をしながら行うということです。口は閉じ、稽古中は会話もせず、黙々と静かに動作の一つ一つを確認し合いながら練り合っていくのが本来の稽古方法なのであれば、これは飛沫感染防止という意味においても有用であり、是非とも昔に習い取り組むべきことではないでしょうか。

試験的稽古再開においてはマスクを着用し行われますが、マスクをすることで逆に喋らなくなるという効果の声もありました。

今後とも技に向き合いじっくりと稽古をしていきましょう。

  

試験的稽古再開稽古の様子:

マスクを着用しています。

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  間隔を開けて行います。

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